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『500年の学校〜おとなのためのフォルケホイスコーレ〜』 第2期開催レポートvol.10(2026年8月)
Day10 伝えること、受け取ること。
季節はすっかり夏。
お寺を包む緑は深く色づき、境内には力強い蝉の声が響いています。
自然の息づかいに包まれながら、この日も500年の学校がはじまりました。
朝のシェアでは、この1か月を振り返ります。熊本地震のニュースに心を痛めたこと、講座をきっかけに森岡書店を訪れたことなど、それぞれの日々を分かち合いました。
本日は、和田夏実さんを講師にお迎えし、「感覚とコミュニケーション」をテーマにした一日。
午前は、全員が目を閉じたまま、「あなたはまだ存在していない」の詩の朗読からスタート。
心を静かに整えたあと、一人ひとり異なる花が手渡されます。
目を閉じたまま、形や質感、香りを頼りにその存在を感じ取り、和田さんからの問いに答えながら、自分の感覚だけで向き合います。
最後まで正解は明かされないまま、今度は全員に同じ「レモン」が配られました。
同じように触れながら観察すると、不思議と「みんな同じものを手にしている」という感覚が自然と共有され、見ることに頼らない世界の豊かさを体験しました。
昼食は、醸す料理店さんのお弁当。
冷たいトマトスープも添えられ、夏の暑さのなかで心と身体に沁み渡ります。
午後は、ペアで一本の輪状の紐を使い、自分の思う「円の大きさ」や「リズム」を相手へ伝え合います。
最初は自然と息が合っていた二人も、「もっと個性を」「少し反抗してみてください」という和田さんの言葉をきっかけに、その関係性は大きく変化します。互いに影響し合う様子が紐の動きとして目に見える形で表れ、その後の対話からも多くの気づきが生まれていました。
続いて、和田さんご自身の歩みや活動についてお話を伺いました。
コーダとして育った経験をはじめ、音声だけではないコミュニケーションのあり方、認知症のお祖父様との記憶をGoogleマップに残すプロジェクトやイタリアでの研究など、多様な実践をご紹介いただきました。午前中の体験と重ねながら話を聞くことで、「伝えること」「受け取ること」の意味がより立体的に感じられ、皆さんも深く耳を傾けていました。
最後は、「あなたの時間」を描く時間。それぞれが好きな場所で静かに自分と向き合い、時間を自由に表現しました。
未来から現在を眺める人、グラフや図で表す人、曲線や円で描く人、風景として描く人。そして「時間は二次元では表現できない」と語り、空間や球体として捉える人もいました。同じテーマであっても表現も視点も実にさまざま。「時間」という目には見えないものをどう捉え、どう伝えるのか。その難しさと面白さを、一人ひとりが味わう時間となりました。
ダイアローグのテーマは「笑い」。さまざまな配慮が求められる時代だからこそ、笑いは信頼関係の上に成り立つコミュニケーションのひとつであることなど、この日重ねてきた体験とも重なる対話が交わされました。
ふりかえりでは、この場だからこそ安心して自分の思いを言葉にできることや、毎月丁寧に積み重ねてきた時間が人と人とのつながりを育んでいることを改めて実感する声が聞かれました。
感覚をひらき、相手を知り、自分自身を見つめること。
その積み重ねが、豊かなつながりを育んでいく。
心と身体を耕し続けることの大切さを、改めて受け取った一日となりました。
<1日の流れ> AM 朝の気持ちのシェア/体験の導入・導入内言世界について/PM ケアに関するレクチャー・TIME SCALE ワーク/ダイアローグ・振り返り








